診療録に障害の程度を裏付ける記載がないことを理由に却下した事例
本件診断書1と本件診断書2の記載内容を比較したところ、ほぼ同じ内容が記載されており、また、本件診断書1の記載根拠となった本件診療録にも、肢体の障害による障害の状態を認定するに当たっての重要項目である関節可動域、筋力及び日常生活における動作の障害の程度等を裏付ける記載がなく、本件診断書1を審査資料として採用することはできないとの判断に基づいて原処分が行われたものと解される。しかし、再審査請求時に提出された資料4の身体障害者診断書1及び資料5の身体障害者診断書2において、障害の程度に関する記載内容は同じであり、資料5において、平成○年○月○日が症状固定の日とされていることからすれば、資料5の現症日である平成○年○月○日と資料4の現症日である平成○年○月○日の間において障害の状態に変化はなかったとみることができる。これによれば、両者の期間中にある障害認定日(平成○年○月○日)の障害の状態(本件障害の状態)を認定することは可能であり、本件障害の状態は、資料4及び資料5の障害の状態と同等とするのが相当である。 そこで、障害認定基準に照らして本件障害の状態を検討すると、上肢については、日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」をいうとされる「機能障害を残すもの」に該当しないのであり、下肢については、日常生活における動作のほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」をいうとされる「機能障
害を残すもの」に該当すると認められるのであるから、このような障害の状態は、肢体の機能の障害で障害等級2級に相当するものの例示である「一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの」、「四肢に機能障害を残すもの」のいずれにも該当しないが、請求人の身体機能を総合的に認定するならば、障害等級3級に相当する厚年令別表第1に定める「前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」(12号)に該当するというべきである。
