特例子会社で働く知的障害者。就労していることを理由に2級に該当しないとされたが、裁判では2級と認定された。
障害認定基準によれば,知的障害に係る障害等級の認定については,知能指数のみに着眼することなく,日常生活の様々な場面における援助の必要度を勘案して総合的に判断すべきであり,知的障害が軽度であるからといって,直ちに障害等級2級に該当しないとすべきものではなく,原告の日常生活能力の判定ないし程度について,前述してきた各点に照らせば,上記主張や関連する上記証拠(これらはいずれも一般論ないし本件についての推測の域を出ないものである。)は前述の判断を左右するものではないといわざるを得ない。
そして,その他の被告の主張や,本件全証拠を踏まえて検討しても,前述してきた原告の日常生活能力の判定及び程度に係る判断を左右するに足りるものはないというべきである。
以上からすると,原告の本件基準日における障害の状態は,障害認定基準にいう「知的障害があり,食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって,かつ,会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため,日常生活にあたって援助が必要なもの」に該当するか,又はこれと同等程度のものであり,障害等級2級に該当する程度のものであるというべきである。
なお,被告は,障害認定基準が,障害等級2級の障害の程度につき,「家庭内の生活でいえば,活動の範囲がおおむね家屋内に限られるものである。」とするところ,原告の活動範囲は,家庭内にとどまるものではないことは明らかで,原告は障害等級2級に該当しない旨を主張するが,そもそも障害認10 定基準は,前記1のとおり,労働に従事していることをもって,直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず,現に労働に従事している者については,その療養状況を考慮するとともに,仕事の種類,内容,就労状況,仕事場で受けている援助の内容,他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認した上で日常生活能力を判断すべきとしており,親族や職場の関係者等の支援を受
15 けた結果,対象者の活動の範囲が家庭内にとどまらない場合に直ちに2級に該当しないとするものではないというべきであって,上記主張は採用することができない。 平成30年3月14日
