心身症に伴う腹痛・下痢・嘔吐のもとの通院がうつ病の初診日になった事例

2 前記認定された事実に基づき、本件の問題点を検討し、判断する。
(1) 最初に、当該傷病の初診日は請求人の20歳未満にあったとする主張が妥当であるかどうかについて検討する。
 精神病の場合、明らかな精神病の病態を示していない限り、当初から精神病院に受診することは極めて稀であり、さらに、患者本人が自らの意志で精神病院に受診することを求めるのは困難であると言わざるをえない。そして、うつ病の初期症状は多様である。
 前記1の(1)のとおり、B医師の記憶及び請求人・家族の申立によれば、請求人は、平成4年頃腹痛・下痢・嘔吐を反復し、登校不能との事で平成4年5月19日初めて受診、傷病名「心身症に伴う腹痛・下痢・嘔吐」のもとに通院し、症状は、一進一退を繰り返し、その間、心療内科(精神科)の受診を勧められたが、行かなかったとされているところ、このことについては、前記1の(4)及び(5)により裏付けられており、また、前記1の(6)により保険者代表も認めているところである。
 したがって、当該傷病の初診日は、請求人の20才到達前である平成4年5月19日とするのが妥当と判断する

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