医療・福祉関係者の方へ

「障害年金の話は、一度もしてくれなかった」という苦情

 皆様に対する苦情を聞くことが増えています。障害年金の請求そのものが増えているのですから、苦情を聞くことが増えるのは、当然といえば当然です。
 ただ、苦情の質が、医師や社会保険労務士に対するものと、やや違います。圧倒的に多いのが、不作為に対する苦情。何でも相談していたのに、障害年金の話は、一度もしてくれなかった。傷病手当金がもうすぐ終わるという話もしたし、障害者手帳の話もしたのに、そのときに、ついでにでも、障害年金の話をしてくれていたら、こんなに苦労することはなかったのに・・・。
 なんとなく言いがかりみたいな気もします。間違ったことを話した訳でもなく、単に、聞かれなかったから話さなかっただけで、苦情を言われるのは、少々、つらいですね。
 なかには、「誰も何も教えてくれなかった」と言われ、誰かに相談しましたかと聞くと、「相談はしていない」と言う。全く相談もしていなければ、押し売りのように向こうから相談にやってくることはないですよと説明すると、「そりゃそうだ」と笑って答える。当たり前のことが当たり前でなくなるんですね。障害年金の請求をするほどの傷病ですから、本人もご家族も、相応に大変な時期を経ています。入院、手術、退院、通院方法の確保、住宅の改修、補装具の購入、勤務先との調整、生命保険、損害保険、傷病手当金、次々と考え判断することが起こります。そんな状況では、たとえ聞いていても「全く聞いていない」となるのかも。

不作為の苦情を減らすための活動

 この不作為の苦情、どうしたら良いか。説明していても時期によっては、「聞いていない」となります。多くの病院や福祉施設で、会報のようなものを出しておられます。そこに、情報提供するだけでも、「全く聞いていない」ということは少なくなるのではないでしょうか。あるいは、請求書や領収書とともに、簡単な医療福祉の案内などを掲載したチラシを配布すれば、効果的であるように感じます。やっておられる病院もありますね。でも、多くは入院患者に対してです。対象者を通院患者にまで広げてはどうでしょうか。チラシはすぐにゴミ箱行きになりますが、領収書の裏面に記載すれば、すぐにゴミ箱にはいきません。特に障害年金の請求をするような人は、税金の医療費控除の対象になる人も多いでしょう。領収書はかなり長期間、保管されます。
 ここまですれば、不作為の苦情は激減するはず。

不支給の可能性のある患者には、社会保険労務士を紹介してください

 障害年金の案内をすると、診断書の依頼も増え、かえって、病院としては理不尽な苦情が増えるのではないか、相談室がパンクするのではないか、と危惧される人もおられるかも知れません。障害状態の基準が不明瞭、そのうえ、保険料納付要件など、障害状態と関係の無いところで不支給になったりもする。障害年金の案内をしたは良いが、結果が不支給なら、かえって逆恨みになるだけではないかと。
 そこまで心配であれば、さっさと、社会保険労務士を案内されたほうが無難です。手間暇かけて請求を手伝っても結果が不支給なら、苦情の種になります。不支給の可能性のある患者には、社会保険労務士を紹介してください。相談員にとっては、支給されれば喜ばれ、不支給でも苦情はありません。
 さらに言うと、皆様の仕事は、不作為の苦情よりも積極的な援助による苦情の方が、望ましいのでは。積極的な援助は、物理的に多くの患者にできるものではありませんし、積極的な援助で苦情が続けば、皆様の精神衛生上もつらくなることと思います。社会保険労務士を敵のように見る相談員の方もいますが、あなたの知らないところで、不作為の苦情が当方に寄せられているのが現実です。
 現実的な対応を望んでいます。

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